■■ 近視とは
レーシックは手術ですから、眼の構造、近視について正しく理解することが望ましいと思います。
医師とのカウンセリングを受けても自分の眼の状態や予測される結果を理解していないと、手術後に不満が残ってしまったり、術後の経過に不安を抱えてしまったりすることも多くありません。
手術を受けた後では、結果が気に入らないからといって元の状態に2度と戻すことはできません。眼に対する理解を深めることが満足のいくレーシック手術の結果に繋がることと思います。
人間の眼は、眼の中に入った光がまず角膜、そして水晶体の2つの凸レンズで集光し、眼の奥、眼底の網膜の上で焦点を結びます。
そして網膜上の視細胞が光の刺激を感じて視神経を通って脳に達して画像を認識します。
カメラに例えると、角膜と水晶体ははレンズ。網膜はフィルムの役割をしています。
眼への光の入り方は、遠くを見ているときと近くを見たときでは大きく異なります。
遠くをを見ている時は、光はほぼ平行で眼の中に入ってきます。この光が角膜、水晶体の2枚のレンズで屈折されます。そして網膜上でピタリとピントが合った時、モノがはっきりと見えるわけです。
一方、近くを見ている時は、光が外側に広がる方向で眼の中に入ってきます。
この場合、遠くを見ている時と同じレンズを使っていたのでは、屈折力が弱くて網膜上にピントが合いません。
そこで、人は無意識のうちに眼の中の毛様体筋を緊張させ、2枚のレンズのうち水晶体を厚くしてピントの位置を合わせます。
水晶体が厚くなれば屈折力が強まるので、近くから入ってきた光も網膜上でピントが合うようにできるわけです。
人間の眼の水晶体は、遠くを見ている時には薄く、近くを見ている時には厚く、自由自在に厚みを変えることにより、遠くを見ても、近くを見てもはっきりした映像が見られるようになっているのです。
これに対して近視の人は、眼の中に入った光の屈折率が強く、網膜に届かず、網膜の手前で光のピントが合ってしまう状態となり、遠くのものがぼやけるという現象が発生します。
角膜を削り、角膜のカーブを緩くすることにより屈折の強さを変え、網膜の手前で合う焦点を網膜上で合わせるようにするというのがレーシック手術です。
近視は通常20代前半で進行が止まります。近視には大きく分けて2つのパターンがあります。
ひとつは、「屈折性近視」といい、角膜・水晶体の光の屈折力が強いためにピントが合わなくなる。
もうひとつは、「軸性近視」といい、角膜から網膜までの眼軸長が長いためにピントが合わなくなる。多くの場合は、この2つの要素を併せ持つ場合が多いようです。
遠視や乱視も屈折異常です。
近視は網膜の手前でピントが合ってしまうというものでしたが、遠視はその逆で、レンズ(角膜・水晶体)の屈折力が弱いか、角膜から網膜までの軸長が短いためにピントの位置が網膜の後ろで合ってしまう状態のことを言います。
遠くを見ていて平行に入ってくる光のピントが網膜の奥で合ってしまうわけなので、近くを見ていて広がりながら入ってくる光はさらにぼやけてしまいます。近視と異なり、近づけば近づくほどぼやけ方がひどくなります。
遠視の方は自分の眼の毛様体筋を緊張させて水晶体を厚くしないと遠くも近くもピントが合いません。若い方の場合、自分で毛様体筋を緊張させてピントを変える力が豊富なので無意識のうちに調節をして、遠視でも遠くも近くもピントを合わせてしまいますので、見えにくさを感じることは少ないです。
乱視は角膜や水晶体の歪みで起こります。レンズが歪んでいると光の進入方向によって屈折力が変わってしまいます。
ひとつのものを見ても、光が強く屈折する方向と弱く屈折する方向があると、1点にピントが合わないために網膜にぼやけた像が映ります。これが乱視です。
それではなぜ眼鏡やコンタクトレンズをかけるとよく見えるようになるのでしょうか。
近視用の眼鏡やコンタクトレンズは凹レンズと言う中央がへこんだレンズを使用しています。
凹レンズには、光線を広げる方向に屈折させる性質があります。これを眼の前に置き、眼に入ってくる光の方向を変化させることによって、網膜上でピントが合うように調節しています。
人は生まれながらに1.0〜1.5もの視力を持ち合わせているわけではなく、生後6ヶ月の乳児では0.04〜0.08、1歳で0.3程度の視力しかありません。その後、2歳で0.5〜0.6、3歳で0.8、7歳以降になって成人と同等の1.0〜1.2の視力に達します。
小学生くらいまでの間に成人並みの視力を獲得してゆきます。
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